「普門寺の紅葉と叢(くさむら)を歩いた本たちと写真展」

普門寺の紅葉と叢(くさむら)を歩いた本たちと写真展


 
■日程 2022年11/26(土)11/27(日) 12/3(土)12/4(日)
■Open 午前9時30分~午後3時
■会場 高野山真言宗 普門寺 本堂外陣
(豊橋市雲谷町ナベ山下7番地)

主催/明星ライブラリー  
共催/春夏秋冬叢書(編集長/ 味岡伸太郎)
※コロナ対策の都合上換気をします。暖かい服装でお越しください。

 
「春夏秋冬叢書(はるなつあきふゆそうしょ)」は東三河を中心とした三遠南信に関する地域発の文化情報の収集・蓄積・発信を目的として設立された出版社で、グラフィカルで美しい本を刊行しています。

この展示では東三河随一の紅葉の名所として知られる普門寺の自然豊かな山の上の本堂で、「春夏秋冬叢書(はるなつあきふゆそうしょ)」のほぼ全ての出版物、創刊20年となる地域の文化を記録し続ける季刊誌「そう」の創刊号から最新号までの全刊と、「そう」の写真家たちによる写真をお楽しみいただけます。

【展示出版物・作品】

・季刊誌「そう」No.1〜76号 
・叢書35点, 他

・そう69号「村の酒屋さん」/山本典義
・そう71号「原生」/八木史子
・そう72号「線景」/前田俊明
・そう74号「島路」/朝野耕史
・「三遠南信 祭紀行」/宮田明里
・「三河の旗本退屈男」/宮田香里
・「軽トラ182 の20-22」/山本典義
・「晴れの日と常の日と」/山本宏務

展示出版物は全て手に取ってご覧いただけます。(購入可能・一部展示のみ)
 
 


「そう」バックナンバー一覧/春夏秋冬叢書HP
 
 

叢書一覧/春夏秋冬叢書HP
 
 

「今こそ美を取り戻す」を伝える
 明星ライブラリー
 

 
「春夏秋冬叢書(はるなつあきふゆそうしょ)」は東三河を中心とした三遠南信に関する地域発の文化情報の収集・蓄積・発信を目的として設立された出版社で、グラフィカルで美しい本を刊行しています。これまでに三遠南信に関わる本を35冊、2003年に創刊された三遠南信応援誌 季刊誌「そう」76 冊、その他地域の作家の写真集や星野昌彦氏の句集などを出版してきました。

編集長は豊橋市在住の美術家であり書体制作、デザイン、書、器の制作などを手がける味岡伸太郎さんです。味岡さんは長年全国の第一線で活躍し、発信する制作物や活動などからあらゆる年代のものづくりに関わる人をはじめ、多くの人を感化し美術への姿勢を鼓舞して続けています。

明星ライブラリーではこれまで約10年、ご縁をいただき普門寺本堂 外陣にて様々な展示を開催してきました。この度、そんな味岡さんが編集する「春夏秋冬叢書」の本たちをこの普門寺でご紹介できることを、大変嬉しく思います。

「叢(そう)はくさむら 
草の根の生きた美しい情報をお届けします。」/ 春夏秋冬叢書HPより

春夏秋冬叢書が出版する雑誌「そう」が創刊されたのは2002年。以降、今年で20年に渡り年に4回の発行で、毎回ある漢字一文字のキーワードで三遠南信エリアの地域の様々な文化・人・伝統・自然・歴史などを中心とした話題を取り上げ、掘り下げながら地域の記録として丹念に伝えています。

最新号は第76号となります。

開創1300年を迎える展示会場の普門寺は、大きな山全体が寺の境内となる自然豊かな場所。本尊である秘仏 聖観世音菩薩像を祀り、普段は非公開の場である本堂外陣は江戸時代後期に建てられた歴史ある空間です。今回の展示では、この場所から眺める見事な紅葉を楽しみながら、「そう」の創刊号から最新号まで全てと、「春夏秋冬叢書」が発行してきた出版物を一冊ずつ手に取ってご覧いただけます。

現在、「そう」の写真・文章・編集・デザインスタッフは、編集長の味岡さんを中心に総勢12人。月に一度の編集会議を経て、制作する号の漢字一文字のキーワードから郷土の話題を探し、検討を重ねて現地を取材・原稿制作という、郷土の文化情報収集の職人のような手仕事的現場で作られています。

“20年後、三遠南信の全てを知る「百科事典」に成長すること”  

2003年の「そう」創刊の際にこの雑誌が目指すところとしてこう語られていました。今、ちょうど20年を経てまさにこのエリアの文化を知るには「そう」ほどに豊かで緻密な情報、美しいデザインで内容を示すものはないと、これまでの「そう」を眺めております。そして「そう」の情報収集は今もこれからも続いているのです。

季刊誌「そう」は「三遠南信応援誌」と、キャッチフレーズが伝えています。
創刊当時に記された味岡さんの言葉に「全ての分野で中央集権が進み、我々の街や村から「美」を作り出す力が失われつつある。今、地方は「美」を取り戻さなければならない。」とありました。

私たち一人一人が身の回りのここにしかない価値を見出し、「美」を作り出していくこと、このことを「そう」が応援しているのだと感じます。

「春夏秋冬叢書」が20年の歳月をかけて編集した郷土の文化が本となって一堂に会する展示と、1,300年の歴史を刻む普門寺の紅葉をどうぞ心ゆくまでお楽しみくださいませ。

 
明星ライブラリー
荒木正美

 

 

 
■以下に2003年の「そう」創刊に際して記された味岡さんの文章をご紹介します。

春夏秋冬叢書は、二〇〇三年十二月一〇日に、三遠南信応援誌「そう」を創刊した。これまでは三遠南信に関わる本を年四冊、春、夏、秋、冬に一冊のペースで発行してきた。それに対して「そう」はその単行本発行の間に一冊ずつの雑誌を発行しようというものである。つまりこれからはB6、平均二五〇頁のハードカバーを年四冊と、A5、一六〇頁の雑誌を年四冊、計年八冊を発行する。零細の極みである出版社としてはいささか背伸びした企画ではあるが、年四冊の単行本だけで、我々の地域を十分に記録し、紹介することは難しい。雑誌ならば一頁単位で細かな話題も掲載することが可能である。その為に製本は少し贅沢に、角背にした。角背ならば背にタイトル・特集を入れることもでき、本棚に収納することができる。
 現在その編集も終盤に差し掛かっている。これから始まる一ヶ月半ごとの出稿〆切に追われる日々を思うと、新しいものを創り出していく楽しさと同じくらいの恐しさも感じているこの頃である。と言いつつ、その言葉が終わらない内からいつの日にか隔月に、そしてその内に月刊にと大それたことも考えてしまう。つくづく一度出版にかかわると、こりるということを知らないものである。

地方分権は人材から
雑誌発行には幾つかの目的がある。地方というのはどこでもそうだろうが、人材に乏しい。地方分権が近年盛んに叫ばれているが、政治・経済の中央集権だけでなく、人材の中央集権も目に余るものがある。地方に分権されても、それを担う人材は誠に薄い。出版・編集・デザイン・撮影に関わる分野も、もちろんそれにもれない。年四回の単行本の発行では執筆、写真それぞれ年に四人しか関わることができない。それに対して雑誌ならば、毎号より多くの仲間達が編集に関わることができる。その中から、年四回の単行本の著者に成長する人材も生まれてくるだろう。
 我々はこれまで七冊の単行本を発行してきた。それぞれがそれぞれの視点でこの地域の現状を記録してきたつもりである。しかし、我々にとって本質的なのは、我々の文化を記録することだけではない。我々のいささか実力不相応な大それた願いとは、それを足がかりに新しい地域文化の創造の為の基礎を作り出したいのである。

今こそ美を取り戻す
ここで少し「そう」の編集方針にふれておこう。いつものことながら宣伝文句には「美しさが全てに優先する」と大見栄を切っている。「そう」は三遠南信で美しく生きる人達の応援誌である。我々の出版社には設立以来「美しい出版物」という、一つの大きな目標、あるいは基準というものがある。これまでの地方出版物の多くは美しさを感じさせない。常に「美」は中央から供給されるだけのもので、地方はそれをあまんじて享受し、そのことを不思議とも矛盾とも思わない。ここにも中央集権の弊害が表れている。
 現在でも、三遠南信には華麗で美しい祭りが数多く残されている。これらの祭りが生み出された時代には、この地方だけでなく日本中あまねく高度な地方文化が花開いていたのである。しかし、高度成長の掛け声の元、全ての分野で中央集権が進み、我々の街や村から「美」を作り出す力が失われつつある。
 今、地方は「美」を取り戻さなければならない。「美」とは個人的なもので一般的な基準にはなり得ないという声もあるだろう。しかし、地方分権はスローガンやマニュアルやシステムだけでなく、思想にしてもその結果にしてもそこに「美」の存在が認められるまでに充実して初めてそのことに意味があり、実り豊かなものと確信できるのではないだろうか。
話題は満ち溢れている。

 この「そう」のもう一つの編集方針は「キーワード雑誌」であることである。毎号紙面の約半分を使用して、漢字一字、創刊号では「白」を選んで、それにかかわる話題を集めて紹介していく。キーワードの最初の選考基準は広辞苑で見出し語が五〇〇語以上である。しかし、三遠南信に話題を限るとなかなか難しい。それでも無理矢理探していくと、普段は取り上げることの少ない話題がどんどん出てくる。地方と悲観することなかれ、狭い狭いと諦めることなかれ、まだまだ我々の住むこの地方には我々の知らないこと、面白いことに満ち溢れている。とにかく「そう」と「春夏秋冬叢書」のこれからに、乞うご期待してもらいたい。
 

 
二〇〇三年十一月十日
そう編集長 味岡伸太郎
 

 

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